10年に一度
おすすめした手前、自分も観直すかー、と約10年ぶりに観ました、バトロワ映画版。記憶以上に生徒たちの演技がアレでした。昔観た時はそこまで思わなかったんだけどねぇ。
まず、しょっぱなの教室で国信が首輪吹っ飛ばされる時に叫ぶ『秋也!』に悲壮感がまったくないのがいただけない。首飛ぶってなったらもっと錯乱するよな。あそこで一気にクールダウン。
次に原作があんなんだから仕方ないのかもしれないけど、千草の台詞が痛い。(『カッチーン』等) ナイフ持って新井田追っかけてく時の『待てコラァ!』は本心から出てる感じがしてよかったですけど。新井田のへたれ演技はテンプレっぽかったけどまあ及第点。もうちょっと自己愛とか卑屈さとかリビドーなんかが入り混じったいやらしい表情を見せて欲しかったかな。
まあまあよかったのって光子ぐらいかなぁ。かわいくないけど。柴崎さんはもちろん美人なんですけど、かわいくはない。自分の光子イメージとはかなり違います。鎌で江藤の首かっさばくとことか好き。安藤さんは存在感あったし、演技的には悪くなかったと思うけど、そもそもわたし安藤桐山は桐山と認めてないので(キリッ 殺人や破壊に快感を覚えてニヤリとしするような桐山は桐山じゃないんだよー。快感も罪悪感も躊躇いも感じないというのが正しい桐山の在り方じゃないデスカー。おう?(わかってもらえる?)
あと制服がセーラーと学ランじゃなくなっちゃってたのは本当に残念。本物の中学生に見えちゃったら困るということなんでしょうが、それ回避するならもういっそのこと、たとえば中国の人民服みたいな特殊な制服を一からデザインしてしまった方がよかったんじゃないかと今になって思います。ぶっちゃけあのBATSUのデザイン自体ダサくて好きじゃないですが、問題はそういった表面的なことではなく、端々に垣間見える『大人の事情を回避するためにあえて中学生に見せないための手法』です。男女の力の差も微妙で、男子より力の強い女子がいたり(もちろん逆もしかり)精神的に女子の方が大人だったり、中学生特有のそういう男女の差が曖昧な微妙さとか全然ないもんね。まだまだ自分のアイデンティティや思想が固まっていないバランスの悪い年齢の子供を主人公にした話なのにそこしっかりしないでどーすんのって根本的な問題。じゃあ中学生じゃなくてもいいじゃんってなっちゃう。実際メインの役者もみんなそこそこ年行ってることだし。(笑)『鈴木先生』(テレ東ドラマ)に出てた生徒役の子たち使って撮り直して欲しいなぁなんて思ってしまった。まあ、また10年後になら観てもいいかなって、そんな感じです。