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不良にしない競技復帰

【スラムダンク】三井がグレた怪我の正体は? 「不良にしない競技復帰」を医師提言
https://medicaldoc.jp/m/column-m/202309p4029/#i-1

医師目線で見てもやはり、

「医療機関と学校が連携、情報共有を行い、そうした中で顧問の安西先生によるお見舞いなどで「いまでも君のこともチームプランに入れている。見捨てていませんよ」などと声をかけ、サポートをしていたとしたら、三井が道を踏み外さずに済んだ可能性もあったと思います。」

とのこと。やっぱりそうよね。

三井が治療を放棄しバスケからドロップアウトした理由は「自分はもうここ(バスケ部=安西先生)には不要」という思い込みだったはずだから、安西先生の「怪我が治るまで待っている。君が必要だ」の言葉がなによりの薬になったはず。そのくらいわかってやれなかったのかな。名匠なんでしょ? 安西先生やるべきことやったんかな?とは思う。

ただ、三井にとって三井の挫折はn=1の個人体験だけど、長い監督生活の中で多くの選手を指導してきた安西先生にとって、三井のような〝鳴り物入りの新人が怪我をきっかけにバスケを辞めてしまうケース〟はさほどめずらしいことではなかったのかも。谷沢の一件から、選手や生徒に対する過剰な肩入れを避けていたせいもあるのかな。傷つきたくない的な。

赤木と木暮はどうだったんだろう。少なくともあの二人は三井のことを認めていた気がするんだけどなー。全国制覇を成し遂げるには三井が必要だと。ただ、一年の頃は二人とも自分のことで精一杯で、三井を気遣う余裕はなかったのかもしれない。同級生だからお互い同情したくないしされたくないだろう。赤木なんて性格的に特にそう思いそう。二年の夏には先輩に面と向かって「宮城はパスができます」と言い返すまでに成長していたけれど(ザファ軸)。湘北バスケ部に、ザファで描写された「たかが部活にマジになんなよ」的な空気感が蔓延していたとすれば、三井の「目標は全国制覇です!」も、上からはあまりよくは思われていなかった可能性が高い。三井がいなくなってせいせいしたくらいに思われていたのかも。

三井も流川のように自分から安西先生を頼っていけばアドバイスのひとつももらえたのかもしれない。安西先生はツンデレタイプに思えるので(谷沢への対応然り)。あの時点では、三井も安西先生も、自分と相手のことを信じられていなかったということか。

三井の進学

ザファで宮城のアメリカ行きが確定して、流川も原作の描写から「湘北バスケ部在籍時に全国制覇→日本一の高校生→アメリカの大学へ」のルートがほぼ約束されていると思ってます。今後、公式から答え合わせがなされる可能性もありますけど、現時点ではそう考えてる。誕生日1/1、背番号11、日本一の高校生、「1」尽くしの男ですし。ここまで揃ってたらきっと「日本一」も手にするんでしょうよ。あと二年かそこらのちに流川〝キャプテン〟率いる湘北バスケ部がが全国制覇を成し遂げて、あの例の沢北ポスターを流川が踏襲すると想像したら胸熱。

赤木は「もともとの志望校」へ一般で入るんだろうし、おそらく木暮もそう。三井はこの二人と違って自分で志望校を選べる立場でも状況でもないので、来た話(推薦)に全力で乗っかるしかない。

とはいえ、なんだかんだ三井は推薦で進学するんだと思ってます。

インターハイで山王を破った湘北の活躍はすでに国内のバスケ関係者が知るところでしょう。スタメン五人の実力にも注目が集まっていると思う。ただ、それが推薦評価のアドバンテージになったとしてですよ、三井に関しては「なぜ二年のブランクがあるのか」が引っかかると思うんですよね。わたしが大学側の人間だったら気になる。

10日後で三井自身が「赤木と違って学力ではノーチャンス」と言っていることからも、推薦入学で課されるのは小論文と面接だと思います。

以下、某サイトからの転載。スポーツ推薦で想定される質疑。

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・何故そのスポーツを選んだのか?
・そのスポーツはどの様な特徴があるのか?
・どのポジションだったのか?
・何故そのポジションになったのか?
・どの様なチームだったのか?
・どの様な努力をしたのか?
・努力した結果どうだったのか?
・楽しかったこと、嬉しかったことは何か?
・辛かったこと、悲しかったことは何か?
・辛かったり悲しかった時は、どのように克服したのか?
・部活動から学んだことは何か?
・自分の良かった点と悪かった点は何か?
・自分はどの様な人間なのか?
・部活動を通して変わらず一貫して信念を持ってやったことは何か?
・部活動を通して自分が変わったと思うことは何か?
・チームの中で自分はどの様な役割・立ち位置の人間だったと思うか?
・活動を通して学んだ事をどの様に今後の大学生活や人生に活かして行くのか?
・将来はどうしたいのか?それは何故なのか?そのためにどの様な努力をするのか?
・最近のニュースで気になる事は何か?
・最近読んだ本は何か?何故その本を選んだのか?学んだことは何か?
・好きな選手は誰か?何故その人なのか?
・ライバルはいるか?あなたにとってどの様な存在なのか?
・尊敬する人は誰か?何故その人を尊敬するのか?
・何故うちの大学を選んだのか?
・何故その学部・学科で学びたいのか?
・学業との両立は出来そうか?どの様に両立させるのか?

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十中八九「高校時代にそのスポーツとどう向き合ったか」を中心に聞かれるってことですね。そこを三井はどう乗り切るか、という話で。

中学時代に神奈川MVPに輝いた事実は調べるまでもなく出てくるだろうし、そこから怪我で一定期間ドロップアウトしていた経緯もおそらくは隠し通せない。そして何よりあの体育館襲撃事件を挟んだ復帰の経緯をどう話すかなんですよねえ。

公には「桜木軍団と堀田が起こした暴力事件」ということで処理されているのだろうけれど、それでも三井が一定期間彼らの仲間になっていた事実は変わらない。

結局、三井はあの二年間のことを正直に話すしかないんだろうと思います。桜木軍団と堀田がついてくれた嘘に甘えて、正直にかつ〝あの嘘〟を交えて面接を乗り切るしかない。集団面接で周囲のライバルがキラキラした自己アピールをする中、自分の黒歴史を話すのは賭けだし勇気が要る。でも、さらけ出すのは三井の十八番だと思うんで、きっとできる、とわたしは思ってます。むしろそうあることこそグレ後三井という気がします。

そのことを三井がどう思うか。他人の口を借りてついてもらう嘘と、自分の口でつく嘘では、感じる痛みと重みが違うでしょうから。たとえ三井が大学へ入学するためにあの嘘を利用しても、絶対に許してくれるんですよ堀田も水戸も。それを三井もわかってる。わかってて自分の罪悪感を薄めるためにわざわざ断りに行くかどうか。そこを悩む三井を書いてみたい。あの頃のことを振り返って自分の言葉で語る三井を書いてもみたいし。

大栄と豊玉と陵南(土屋と南と仙道)

赤木「そもそも陵南が強くなったのはあいつ(仙道)が入ってからだからな。どうやって止めるか……。あいつには流川をぶつける」

――新装版2巻 #23『ただ者じゃない』


彦一「大栄学園……4番を中心によくまとまったええチームや……!! あの4番……長身のフロアリーダーで味方を生かすのが上手い!! どことなく仙道さんタイプやな……。本当の要チェックはこの大栄学園やで……!! 4番土屋敦――要チェックや!! 新生・陵南の目標になるチームかも知れんで……!!」

――新装版14巻 #188『彦一、大阪へ帰る』

 

以上を踏まえて思うことは、もしかして大栄も土屋が入ってから強くなったんじゃね? です。

テルオの手紙を読んで「豊玉高校に入ったんやな……名門や」とつぶやいた彦一が大栄学園はノーチェックだったことからも、大栄が古くからの強豪校ではないことが推測できます。もし大栄が豊玉と毎年大阪予選で一位を争うような古豪であったなら、テルオが「中二の時に転校した」時点でまだ大阪にいた彦一がそれを知らないはずはない。伝統ある強豪校の豊玉に対して、大栄はおそらく新興勢力の部類なんだと思う。

そこまで強くなかった大栄であれば、土屋も藤真のように一年からスタメン入りしていた可能性も考えられなくはない。ただ、藤真の回想シーンにより、南が二年時にレギュラー入り(というかほぼスタメン確実)しているのは確実で、土屋が一年からレギュラー入りするようなエース選手だったとしたら、その二年の頃にも土屋と当たってるはずなんですよね。じゃあその時は南は土屋に対してどう対応したのかという疑問が湧くんですけど、これは南がどうしたかというより土屋がどうしたかを考えたほうが答えを導き出しやすい。

南が藤真に偶然のバッテングを発生させてしまった理由は、


「威嚇にも一歩も引かない勇気をもった相手やった」

――新装版15巻 #213『エースキラーの最期』


からです。ようするに、藤真が引いていればああはならなかったってこと。負けず嫌いな性格を持つ藤真と流川だからこそああなった。

同じ大阪地区予選でインターハイへの椅子を争っているはずの土屋が藤真や流川のような事態に陥ってないということは、土屋は状況を見て〝引ける〟タイプの選手なんだろうと思います。原作での岸本のあしらい方を見ても、一対一の勝負に極端にこだわる人間ではない。岸本のディフェンスをかわしてゴールを決めたあとガッツポーズをしているところを見ると、勝利へのこだわりや執念はもちろんそれなりにある。それは当たり前ですね。それくらいの闘争心がなかったらあそこまで行けない。ただ、個人プレー上等なバリバリの点取り屋からパスの面白さに目覚めてプレイスタイルを変えた仙道とは違って、もともとの気質が戦わないでいいなら戦わない方を取る、負けるが勝ちみたいなことができる、土屋はそういうイメージ。個人の成績や実績よりチームとしての勝敗を優先するタイプ、というと、根本的な考え方は南と近いように思える。だからこそ南の考えが読み取れたのかもしれない。相手を潰すことが真の目的ではないと。この威嚇行為もチームとしての勝利を見据えてのことだと。真っ向勝負は得策ではないと。

どのタイミングでその気づきを得たのかということを考えてみるとおそらく二年のインターハイ予選ではないでしょうか。大阪予選で南の威嚇行為に気づいた土屋は、怖さから腰が引けてではなく、引きながら戦う戦法を取った。ようは、土屋は藤真事件の前に南のあやうさに気づいていたということです。大阪代表が大栄と豊玉に決まったあと、土屋が南に威嚇行為についてなにかしら忠告めいたことを言った……かどうかは悩むところですよねえ。あの二人の親密度とか、土屋の性格や価値観なんかによると思います。土屋のキャラ付けがまだフワフワしているので、この問題については現段階ではなんとも言えない。

Mother

わたしは流川の母親の職業をアートディレクターもしくはファッションデザイナーで脳内設定している。メディアにも顔出しをしている、業界では知らない人の方が少ないくらいの有名人だけど、結婚後も旧姓で仕事をしてるため、名前から流川との親子関係はわからない。でも、顔は流川とそっくりだから(これも「流川の顔面は母親譲り」だという二次設定)、流川がバスケットボール選手として有名になるうちに、少しずつ「もしかしてこの二人親子なんじゃ?」と言い出し始める人間が出てくる。徐々に噂が広まって、いいかげん隠しきれなくなってきた頃、流川が母親の手がけたアートポスターorコレクションにモデルとして参加、母親とのツーショット写真がモード系ファッション誌(VOGUE JAPANか装苑あたり)に掲載されて、そこで正式に親子関係が公表される。流川はスポーツ専門誌の取材しか受けないポリシーなので、それ以外のメディアに登場するのは初。当然、雑誌はめちゃくちゃ売れる。発売日まで箝口令が敷かれていたため、入手できなかった流川ファンによる高額取引が闇(笑)で横行して、その騒動がニュースサイトのトップに載る→さらに注目を浴びて異例の雑誌重版。母親の人物像は石岡瑛子さんとかあんな感じ。時代を考慮するとかなり先進的かつ革新的な価値観を持った強い女性のイメージ。

原作での口調や態度を見る限り、流川って女性(女子)をまったく特別扱いしていないように思えて、それもたぶん母親の影響ではと想像する。「女の子には優しくしなさい」とか「女の子を泣かせては駄目」とか一度も言われたことなさそう。それは母親が女性として社会で働く中で、いわゆるガラスの天井や女性差別を実感してきたからなんじゃないかな。そのせいで、女だからって逆差別されることにも拒否感を持ってる。ああ見えて流川は、三井とは比べものにならないくらい好きな相手(三井)に尽くすタイプだと思っているけど(当然のように流三前提)、あくまでも「自分が好きな相手かどうか」が基準になってる。性別や属性で態度を決めたりはしないというか。そういう解釈をベースにした「一度この人と決めたらとことん」な流川の性質はすごく犬っぽいなと感じる。三井は逆に猫。とりあえず、流川が忠誠を誓ってる相手は、①両親(特に母親) ②安西先生 ③三井 (※番号はランキングではなく出会った順番)が、わたしの中で不動の三人。

という妄想。

-----

追記(2023.07.04)

「流川の性質はすごく犬っぽいなと感じる。三井は逆に猫。」と書きましたが、三井は犬的性質も備えている気がしてきました。安西先生に対する愛情と執着はどう考えても犬のそれなので。それ以外の人間に対しての振る舞いは完全に猫なんですけど、安西先生にだけ犬モードが発動するってことなのか。流三脳で妄想すると、その犬的性質が、付き合っていく中で徐々に流川に対しても発揮されていく感じなんだと思います。おそらく。安西先生は稲妻に撃たれたみたいな一目惚れだったけど、流川の場合は、少しずつお互いを知るうちに双方、替えの効かない相手になっていくんだろう。というか、そうなってほしいと思いながらわたしは流三を書いている。

新マネ

宮城と三井は新マネの晴子をなんて呼ぶんだろう。リョータは「晴子(ハルコ)ちゃん」な気がする。三井は? 「彩子」だから「晴子」なのか? それはそれで復帰した桜木と揉めそうな。個人的には「晴子」でいってほしい

流川の音楽趣味

 原作流川が自転車乗りながらイヤホンで聴いてる曲はPrinceの「New Power Generation」でほぼ確定っぽいんだけど、流川の音楽の趣味がブラックミュージック寄りなの、個人的にすっっっごい萌えポイントなんですよね。クールキャラに見えて実は自分の気持ちを感覚やフィジカルに問うタイプとか最高やん?

 スティービーワンダー(70年代初期のTalking Bookあたりの)とかも聴いててほしいなー。わたしは、流川を「神頼みしない人」だと決めつけているので、Superstitionの歌詞の和訳見て同調してるといいなとか思います。(この曲をチョイスした背景には、PVにマイケルジョーダンが出ていたとかいろいろあるみたいですが、とりあえず作中に表出している事実だけをピックして話します)

 ぱっと見、音楽とか興味なさそうなのにな。どうやって洋楽に辿り着いたんだ。親の趣味なのか。それか、親は音楽に興味あるけど別ジャンル(クラシックとか)特化で、幼少期から音楽には親しんでいたものの、ブラックミュージックは、バスケ→アメリカ→黒人音楽の流れで、自分で見つけてきたとかかな。休みの日に自主練の後でレコード屋めぐりしてる流川楓、ワンチャンある? レコード屋って言わんのか今は。あの時代にはまだタワレコとかHMVとか中古レコード屋とかいっぱいあったのよ…。高一でPrince聴いてるなんてセンス良すぎでは?

 たまに、流川に兄がいる設定の二次創作を見かけるんだけど、もしかしたらこういうところからの発想なのかもしれない。上の兄弟から影響受けて何かを好きになるってよくある話なので。流川、あれでいて年上or年配の人間にかわいがられるところがある気がするので、歳が上の兄弟か、仲の良い親戚(いとことか)にかわいがられて育った可能性はあるかもね。歳の離れたいとこの女性とか。さっぱりしたかっこいい系の。それこそアヤちゃんみたいなタイプ。それでアヤちゃんになついてるとか。

三井がグレたわけ

 怪我をしてドロップアウトした事実はわかっても、その時三井が何をどう思い、どのように心境が変化した結果グレたのかを具体的に掘り下げたことがないなと気づきました。鉄三の出会い話に着手する前にそこの自己解釈をはっきりさせておきたい。  一度目に膝をやって入院した時はごく前向きに治療に取り組んでいる。ただ、看護婦(師)の指示には従っていなかったようで、ここに三井のつまづきポイントがありますね。

「きのうも抜け出そうとしたんですよ…!」

「まったくまだ治りかけなのに…」

「今日はおとなしく寝てるのね」

「あのクソガキャ…」  

 本人も無断で練習を再開して、

「いたくねえ! いたくねえぞ! いける!」

 なんて勝手な判断をしている。    

 ようは、専門家の知見や意見より自分の肉体感覚の方が正しいと思っているということです。自己評価の高さが垣間見える。自分を信じること自体は悪いことではないんですが、過信しすぎるとそれは思い上がりや傲慢さに繋がり、判断ミスを引き起こす。この場合は残念ながら完全に悪い方向へ動いてしまった。バスケができなくて「ウズウズして死にそうだった」のはわかるけど、早期復帰の許可を出すのは医者なんだよ、三井。これ親がなんも言わんかったんかなとは思うんだけど、親との関係は少し後で触れます。三井の過剰な自己過信は、若さと、堪え性のない性格と、挫折を知らないがゆえのことだったと思います。

 で、今、このシーンまわりを読み返していて気がついたんですが、三井は単に赤木がどんどん上達してポテンシャルを開花させていくことに焦ってるだけじゃないんですよ。それに加えて「安西先生が赤木を認め始めている、成長を見守ることを楽しんでいる」ことに嫉妬してる。(新装版6巻#70/P95)なんだったらこっちの不安の方が大きかったかも。三井にとっての安西先生の存在はおそらく我々が思うよりずっと大きくて、〝安西先生に認められること〟〝期待されること〟〝安西先生の指導するチームで活躍すること〟は、もはや三井のアイデンティティと同化していたのかもしれない。だから、それを赤木に奪われて、バスケをやっていくための道標を見失ったんだろうな、と考えると、両手に松葉杖をついて試合を見にきた時の、三井の絶望したような表情も腑に落ちる。

 別に赤木は三井から何か奪うつもりはなかっただろうし、安西先生もただ赤木の成長を喜んでいただけだったはず。だからこれは完全に三井の被害妄想なんですけど、怪我のことで周りが見えなくなってたんだろうね。第三者(読者)として木暮の回想を聞くと「気持ちはわかるけど、そんな膝の怪我ぐらいでグレんでも…治療してもう一回頑張ったらええやん」って思ってしまうんですけど、まあ、そんなうまく気持ちを切り替えたりはできなかったりもするんですよね。わたしも若い頃に肉体の不可逆な損傷によって〝それまでできていたことができなくなった〟〝これからやろうと思っていたことができなくなった〟〝やりたい仕事を諦めざるをえなかった〟〝人生設計が大きく狂った〟経験があるので、三井の気持ちは実はよくわかります。バスケにかける情熱が強ければ強いほど、それが失われた時に覚える喪失感や絶望感も大きくなる。きのうできていたことが今日はできないショック、今日できてることも明日にはできなくなるかもしれないって不安になる気持ち、これは経験した人間にしかわからない感情かもしれない。無力感と、役に立たなくなっていく自分への自己嫌悪がすごいんですよ。もともと自分に対する理想像を相当高いところに置いていた人なのかも、という気もします。自分はこうあるべきの気持ちに縛られている人ほど、それを達成できなくなった時、自分で自分にがっかりしてしまうので。

 ああ見えて三井には真面目な一面があると思うよ。もっと不真面目だったら、初っ端から他人に弱いところをさらけ出せるような人だったら、たぶんあんなふうな形では堕ちなかった。なんかそのへんちょっと南と似てるな…。そう思うと「バスケがしたいです」で格好悪さの底をついたことは、三井が一皮剥けるために必要な通過儀礼だったんだろうと思える。通過儀礼にしてはちょっとスパルタすぎるけど。

 まあ、グレる前に素直に安西先生に相談しとけよ、とは思うんですけど、さきほど述べたように三井は「安西先生にがっかりされたくない」気持ちがあったからそうできなかっただったんだろうね。意外と人に相談できないタイプなのかもしれない。一人で抱え込む。この件に関しては中学MVPの肩書きが邪魔をしたかな。「スーパースター三井」が弱音なんか吐けねえ、って思っていたのかもしれない。そう考えると、三井は長子(一人っ子でも)なんじゃないかと思ったり。赤木も二人兄弟の長子で弱音吐けないタイプですよね。実はあの二人には似たところがあって、だからこそぶつかり合ってなかなか本音で話しあえなかったんだと思う。木暮ががんばって橋渡ししてくれたけど、お互い頑固だからな。

 以上を踏まえて結論を言うと、三井がバスケ部を去った理由とその時の気持ちは、

 

「もう、自分は湘北(安西先生と置き換えても可)にとっていらない人間なんだ」

 

 であったと思います。誰もそんなこと言ってないのに。自分で勝手にそう決めてしまった。ここにも安西先生へ過度な想いを抱かせたのと同じ思い込みの激しさが出ちゃってるよね。だからこそ復帰後の「君がいてよかった」が三井には何よりの肯定の言葉になっているし、それが他ならぬ安西先生の口から出たことに感無量だったと思います。山王戦でチームメイトを心から信頼して3Pを打ち続けたことも、相手を信頼することが自分も信頼されることなのだと気づいたからと言っていいんじゃないでしょうか。安西先生の「今の君はもう十分あの頃を超えているよ」はバスケの能力だけを指して言っているのではなく、精神的な成長、ようするに「他者と信頼し合うことの意味を知って人間として成長した」という意味も込められているのだと思います。

 それはそれとして、丸二年グレてた上、復帰から四ヶ月(もっと短いか)しか経ってないのに「今の君はもう十分あの頃を超えているよ」って言われる三井バケモンか?とは思う。

 三井と親(男女の両親が揃っていると仮定する)の関係ですが、いわゆる「自慢の息子」だった可能性が高いと思う。素直でかわいくてバスケが好きでそのバスケで県大会MVPになるような実績を残して尊敬する恩師を慕って高校へ入学して、って順風満帆じゃないですか。親も誇らしかったと思う。それが怪我で別人のように変わってしまった息子にどう接したらいいのかわからなかったのかもしれない。となると、三井の親はバスケ関係者ではなく、スポーツとも縁の遠い人たちかなと想像します。心得があったら、怪我で挫折しかけてる息子を放置することはないだろうよ。沢北が三井と同じ状況に陥った場合、テツが何もしないと思う? なわけないでしょ。だからおそらく三井の親はごく一般的な人たちなんだと思う。赤点合宿の時に三井親に電話してたけど、あの時点ではまだ息子の更生を信じられていなくて(三井自身が「ちょっとは息子を信用しろよ…」という、目を疑うようなこれ以上ないおまゆう台詞を吐いている)、あの二年の間にさぞご苦労なさったのだなということが読み取れます。赤木の名前出してるってことは、三井の親は赤木と面識があるか、三井が赤木の話をしたかですよね。あのあと「いくら言っても信じてくんねーから、悪ぃんだけど、お前ら、インハイ前に一回ウチ来て話してくんねえ?」って三井が頼んで、赤木と木暮が三井家を訪れる、とかいうエピソードがあってもいいな。

 今のところ(2023.06.08)はこんな解釈。また考えが変わったら加筆修正するかも。

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 ※余談:入院先の看護師が放った「カワイイ顔してるし♡」はモブ発言のMVPを与えてもいいくらいの名言だと思う。公式でイケメンと認められてる(モテている描写がある)のは流川と藤真と仙道くらい?ってコメントを見かけたけど、三井もそうだと思う。入院先の看護師の「カワイイ顔してるし♡」は直球の顔褒めだろ。他三人が同級生やバスケファンって感じの相手からモテているのに対して、一人だけ褒められの方向性が違うところが三井って感じするわ。年上の看護師って…)

三井のイメソン

中村一義のセブンスターかもしれん。

トリガー

Twitterでも話したんですけど、南の肘打ち、藤真の時は縫合が必要&傷跡(三針ぐらい?)が残るほどの挫創を負わせたのに、流川の時は打撲(翌日には腫れが引いてる)で済んでる。これは、藤真の時は偶然ゆえに力の加減ができなくてまともに入ったけど、流川のときは故意だからこそ多少手加減した(無意識にかもしれんが)んじゃないか?と気づいて、やっぱり南は湘北戦以前にも罪悪感を感じていたんだなあと……。勝利のためにラフプレーを正当化はしたものの、自分の行いを100%は肯定できていなくて、その自己欺瞞を崩壊させたトリガーが流川だったんだろうね。ある意味で南は流川に救われたとも言える。流川はそんなこと一ミリも思ってないだろうけど。

 

観たら死ぬ

Twitterでも散々「豊玉戦だけアニメ化すっ飛ばされてるの納得いかん」と呪詛を吐き続けているのですが、そんなことを言いながら、万が一、豊玉戦のアニメ化が実現したら死んでしまうと思う。南にCVがついて動いて喋ってあのモノローグとイカロスの墜落シーン(当たり前のように言う)含めて全部映像になるんでしょ? 無理。無理だけど、もし南にCVがつくことがあるなら、ついでに土屋にもCVつけて喋らせてくれ。

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